後悔のない航海の果てに

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古巣の今

身を固めながら急いでタクシーに乗りこんだ日曜の舞浜。朝は寒かったのに妙に汗が止まらなかった1日となった。ひょんな事から10年以上前に勤めていた古巣の職場に久しぶりに訪れた。その職場は東京ディズニーリゾートのホテル郡の一角。バンドマンを辞めてから初めて社会に出た時、今度はホテルマンとして「仕事」ということを0から教えていただいた大事な場所であり、結果僕が去った現場だ。

想像通りに体育会系なその職場でホテルや旅行業の専門卒でも何でもないド素人の自分は、本当に周りに迷惑を掛け、かなりしごいてもらった。思考が停止するほどの日々もあった。それでも泣き笑い、何一つろくすっぽ出来ない僕を見捨てずに、偉大なる先輩方は最後までよく面倒を見てくれた思い出が強く残る。久々にご案内頂いたのは直属の教育担当をしてくれていた師匠、そしてその先輩、同期の方々とのしばしの再会。みなさん10年前に辞めた小僧に対して、涙が出てもおかしくないほどの温かいおもてなしをして下さった。まさか仕事中、こんなラウンジでお茶が出来たらどんなに優雅な気分になれるだろうと眺めていた席へ座り、名前からジュータンまで様変わりした元職場でカプチーノを啜る。

仕事が耐えられないくらいの厳しい時期もあった。それでも厳しくしてくれた先輩も甘やかせてくれた人も話を聞いてくれて、今想えば本当にいい職場だったんだと改めて痛感する。あのときの僕にはその価値が見出せないほどに。仕事を辞めて、世界の海に出ると言った時、何人もの人に「やっと仕事を覚えて正社員になれるのに、帰国したらどうするんだ」と、本当に周りの人に心配をかけた。

そこで改めて思い出したあのとき皆さんに向けて発した自分の言葉を思い出す。

「自分は後悔したくないんで、今航海に行ってきます」

結果その後僕は乗り込んだ船から下りず、未だに航海を続けている。

今、世界を回ること

2017年、夏出航の船95回クルーズ。その船で久々に船勤務となった。今ではワクワクを通り越して武者震いがする。

想えばこの歳まで船に乗り続けるとは想わなかったけど、今はめっきり降りる気すらない。

あのとき古巣の皆様に言った言葉は今でも地球を巡らせてもらえる環境をくれる。

前にもお伝えしたかも知れないが、それほどの人生が詰まった船が、今の時代を地球丸ごと体感しに行く地球一周の船旅。旅という言葉も無責任な気がしてあまり好きではないが、そんな船に毎回千人近くの乗船者と、僕ら職員にもまたそれぞれの想いや異なる目的も詰め込まれたまさに夢の船なのだ。

「世界を回ってなんになる?」

他人からも勿論のこと、身内からもよく言われる問いだ。この答え方は、ここで世界を回る以上いつでも突きつけられる問いで、答え方もその都度色を変えるからややこしい。そしてその人が何を聞いているのかでもまた変わる。シンプルに言うと人生以下に広い視野をもち価値観を広げることによって世界の輪郭が見えてくる。じゃあその中で自分ならどういう生き方を選んでいけるかという豊かさの話にも繋がる。

僕らが生きているこの世界は決してお偉いさんや大人達によって決められているものではなくて、自分自身で選ぶことが出来るもの。勿論その選択肢すら持てない人もいる。けど比較的それが手に入れやすいこの国で、いかにして選択を自負して日常を生きている人はどのくらいいるんだろう。

新たなる覚悟

正直年齢と航海を重ねるごとに体力的には厳しくなってくる。けどそれは同時にそれを見据えてでも持続可能に働ける環境の改善にも繋げなければ行けない課題でもある。

それを見つけ、あらゆる想いを伝承するのが僕のやりたいこと。そんな生き方を魅せにいくこと自体が、今まで出逢った恩人の方々への返事とお礼だと考える。

だからこそ、今まさに世界が求めて僕らに問われているものを、共に学び、共に人生を前進できる何かをつかみ取りに、新たなる人間関係を創りに出航準備に取りかかろうと想う。

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