20代半ばまで一冊も本を読んだことなかった僕が
今でこそ大好きになれたが、兎に角僕は昔から活字が大の苦手だった。
作詞はするけど文章は書けず、小中ではゲームやサッカー、高校専門ではバンドと、全く活字と無縁の日々を過ごしたので、未だにまともに図書館にいったことがない。その分漫画は沢山読んだが、その日々を少々悔やんでいたりもする。
初めてまともに読んだ雑誌は高校の頃の「バンドやろうぜ!」。
冊子で言えば25歳の頃の「ジェネレーションタイムズ」(これは今でもバイブル的存在の若者向けタブロイド紙)。
本で言うと丸まる一冊読んだのは雨宮処凜さんの「すごい生き方」だ。
丁度10年前、初めて仕事として一周した航海の後、師匠に薦められた伊坂浩太郎の本を読み終わるまで一年近くかかったが、今では300冊以上の本を購入し、その都度つなぎ合わせて詰め込んだ本棚からは溢れ出している状況だ。
ある時想った。僕はとんでもない食わず嫌いをしていたんだと。
本とは出会い。
「世界で一番綺麗な人」や、「東京で一番うまいラーメン」を決められることが出来ないのと同じく、本とは出会いであり、その時の自分との相性である。
何より、当たり前のことだがどういう人と出会ったかで自分の本棚は変わる。
そして自分の世界観の奥行きや深さ、その領域は何層もの知識や知恵として人生を豊かにしてくれる。
未だに刈田はいいけどなかなか進まない本もあれば、2.3日で読み終えるものもある。多分それはその時の自分の心境に大きく影響する。だからそういう本はなかなか読めずに貯まっていくが、本能として欲して手に入れたのだからいつか自然と開く日が来るんだろう。
「何か読みたいけど何を読んだらいいかがわからない」という人がいる。上記のことも踏まえて僕はいつもこう聞かれたときにこう答える。
「それを読んでみてどんな気分になりたい?」
僕のお薦めする本
★小説編★感性と想像力を豊かにする7冊
▼なぜ歴史を知らないとかっこいい大人になれないのか自問自答している人へ→「太陽の子」灰谷健次郎
▼現実から飛び出し、見たい世界へ冒険したいとき「ガリバーの船出」灰谷健次郎
▼生きてる意味が見つからないときは→「あん」ドリアン助川
▼不器用ながらも一生券面生きている命を感じたい人は→「青い鳥」重松清
▼世界に出て偏見を絶ち、求めていたものが手に入りそうな時→「あなたという国」ドリアン助川
▼僕の尊敬している人が死ぬ前に一度は読んでおいた方がいいと教えてくれた本→「わたしが棄てた女 」遠藤周作
▼日本の常識のおかしな所に気付き、社会問題を考えたいとき→「虚実亭日乗」森達也
★リアル勉強編 ★世界を広くとらえられる13冊
▼日本でどういう社会問題が起こっているのか知りたい時は→「怒りの今を刻む」鎌田慧
▼退屈な日常に刺激が欲しいと思って動き出したい時は→「生き地獄天国」雨宮処凜
▼情報によって何もかもが信じられなくなった時→「世界を信じるためのメソッド」森達也
▼ご飯が食べられないほど悩んでしまった時は→「悩む前のどんぶり君」ドリアン助川
▼自分が出来ることに迷いを感じた時→「今こそ問われる市民意識」伊藤千尋
▼どうしようもない日本社会の壊し方を見つけたい時→「バカだけど社会のことを考えてみた」雨宮処凜
▼社会の仕組みを知り、自分も含めてどうにか変えたいとき→「君がモテれば社会が変わる」宮台真司
▼闇の世界に消えていく若者の声なき声を聴きたくなったときは→「VOICES 君の声を伝える」橘ジュン
▼世界中の人々の豊かさを実感したい時→「なぜ戦争はわかりやすく平和は伝わりにくいのか」伊藤剛
▼仕事にこだわり、その地で挑戦し続けたいと願う時→「最後の職人」中原一歩
▼若者を取り巻く現状をリサーチして逆の立場になりたい時→「近頃の若者はなぜダメなのか」原田洋平
▼人間関係ひとつで人生を変えたい時→「ONE 1つになるということ」加藤秀視
▼ダレデモできるコミュニケーション能力を上げたい時→「心トレ〜コミュニケーションの専門家が考えた心の鍛え方」西田弘次
★オムニバス系★※色んな人の声が一冊で読める対談集6冊
▼この世界のことを自分事として知りたいとき→「全身当事者主義」雨宮処凜
▼選挙に行く意味がわからないor知りたいとき→「はじめて投票するあなたへ、どうしても伝えておきたいことがあります」監修:津田大輔
▼人間はどのように生きてきたのか知りたくなったときは→「survivalism―70億人の生存意志」ジェネレーションタイムズ
▼絶望社会を希望に変える人々の話が聞きたい時→「原発のない世界のつくりかた」脱原発世界会議実行委員
▼歴史上の人物から今を生き抜く勇気をもらいたいときは→「革命家100の言葉」
▼数少ない間違いない若者のたちの試行錯誤に触れてみたい時は→「民主主義ってこれだ! 」 SEALDs
以上、とりあえずこんなところかな。また思い立ったら更新していこうと想うがひとまずこんな感じ。
本当はもっと紹介したいけど、結構人によって偏ってしまうのでここら辺で止めておく。これでもかなり厳選した方だ。
改めて出してみると本当に今まで出会ってきた凄い人たちの影響は隠せない。だからこそ偏見の目が外れて、経済の本も、全く違うイデオロギーの人らの本すら読めるようになったかも知れない。
本を読む人は美しい
と、いつも想う。老若男女問わず、あの眼差しがたまらない。
というより、何かを吸収しようとする人や、何かを得るために成し遂げようとする人は皆そうなのかも知れない。
「百聞は一見にしかず」だが、人と話してみないとわからないことがあるように、ページをめくらなければ見えてこない世界も確実にあるとこんな自分が今では言えることに、鼻で笑いたい。